ベトナム青葉奨学会沖縄委員会

12年ほど前、旅行のさいに初めてホーチミン市の青葉奨学会事務所を訪ねたときのこと。
当時は日本人スタッフが週に何日か勤務していたのですが、その日本人スタッフAさんと話をしていると、突然、外で大歓声が上がりました。するとAさんがうんざりした様子で「あー、勝っちゃったよ…」そして、「今日はもうホテルに帰ったほうがいいですよ」と言います。もう少し話をしたかったのですが、どうも合点のいかないまま、ホテルで借りたオンボロ自転車で帰途につきました。

ホテルまではゆっくり走って一時間弱の道のり。中心部に近づくと、バイクが異常なほど増えてきました。国旗を振り回しながら、「ヴィエットナーム！」と叫んで疾走していく男たち。家族4人が1台のバイクに乗って、子どもが旗を振り回す姿。もともとバイクの洪水のような街ですが、明らかに何か異常なことが起きているようでした。
事情を聞くと、SEA GAMESという東南アジアスポーツ大会のサッカーの試合で、ベトナムチームがシンガポールに勝利し、3位入賞が決定したということでした。狂喜した人たちが街に大挙して繰り出し、国旗を振り回して騒いでいるのです。それも、尋常な人数ではありません。バイクの波に圧倒されながら、なんとか無事にホテルに帰り着きました。騒ぎは夜半まで続いていました。

現在、ラオスのビエンチャンで、第25回SEA GAMESが行われています。
多くのベトナム人は、他の競技にはあまり目もくれず、サッカーの応援に集中します。おそらく青葉奨学生たちも、とくに男の子は、サッカーの応援に熱中して勉強も手につかないところかもしれません。家にテレビのない子もたくさんいるわけですが、たぶんどこかで中継を見ていることでしょう。
昨日、準決勝でベトナムはシンガポールを4対1で破りました。そして17日が、マレーシアとの決勝戦です。

SEA GAMESでは、これまでタイが圧倒的な強さを誇ってきました。前大会まで8連覇ということです。その大本命のタイが、今回まさかの予選落ちとなりました。ベトナムのSEA GAMESでの初優勝が、目の前まで来ている、かもしれません。
昨夜も、ベトナム勝利のあと、全国津々浦々で暴走が繰り広げられたようです。優勝したら、どんなことになってしまうのでしょう。
私もベトナムの優勝を願いますが、暴走はほどほどに…。くれぐれも、事故を起こさないでほしいものです。
（以下は、昨夜のホーチミン市の様子。トゥオイチェオンラインより）