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2010年08月08日

偽札未遂事件

「これって偽札なんですか?」
6年前に会員の皆さんに呼びかけて行ったベトナム南北縦断ツアーの最終日。参加者のYさんが、10万ドン札を手に不思議なことを尋ねてきました。

買い物に行ったスーパーのレジでこのお札を出したところ、「これはダメ」と言われて、使えなかったそうなのです。
幸い、親切な店員さんだったようで、Yさんの財布の中から別の10万ドン札を取り出して「こっちはOKよ」と言ってくれて、問題にはならなかったようです。

Yさんはベトナム初訪問。「事情がわからない旅行者」ということで、怪しまれなかったのでしょう。
もし私だったら、中途半端なベトナム語で弁解をして、かえって怪しまれて警察に突き出されたかも知れません。

ところで、Yさんが見せてくれた10万ドン札。透かしもちゃんと入っているし、私の目では本物に見えたのですが、レジの人はすぐに偽札と見破ったとのこと。
興味があったのでYさんから譲ってもらい、帰国後にルーペを使って観察してみました。すると、左下の金色で刷られたマークの位置がずれていたり、紙質も本物とは少し違うことがわかりました。
また、光に透かすと縦に黒い筋が入っていて、そこに小さな文字が浮かび上がるのですが、本物と比べるとそれが不鮮明です。

やはり、本当に偽札のようです。
細かく観察すれば見破ることができますが、一見本物に思えるシロモノではあります。
まして、外国人旅行者がその場で偽札と見破ることは、まず不可能だと思いました。

その後、インターネットで調べてみると、10万ドンの偽札が大量に出回っていて、ホーチミン市の日本総領事館でも注意を呼びかけていることがわかりました。
総領事館では「偽札の疑いがある紙幣番号」も公表していましたが、その番号にも一致していました。

それから間もなく、ベトナムのお札は紙幣からポリマー製(プラスチックの一種)に変わりました。
やはり、偽造防止のためだと思います。その後もたまに偽札のニュースを目にしますが、大量に出回っていることはないみたいです(たぶん)。

ところで、最近、信じがたい偽札(?)事件の噂を目にしました。
沖縄のウチカビに相当する紙銭(あの世のお金)がベトナムにもあります。ベトナムのはとても種類が多くて、米ドルやユーロ紙幣まであります。
最近では、ベトナムの現在のお札に似せたものも作られています。経済発展のおかげで、あの世でもベトナムドンが通用するようになってきた、ということでしょうか。

偽札未遂事件

ベトナムドンに似せたと言っても、本物のお札はホーチミンさんの肖像が刷られているのに対して、紙銭のほうは閻魔大王(かな?)の顔が刷られていて、独特の不思議な雰囲気をかもし出しています。
本物には「ベトナム国家銀行」とありますが、紙銭は「NGAN HANG DIA PHU(地府銀行)」と書かれています。
それにそもそも、本物のお札はポリマー製で、紙ではありません。

ベトナム人が本物と間違えることはありえません。
ただ、初めてベトナムを訪れた外国人旅行者だと、「これがベトナムのお札ですよ」と言われたら、そう思ってしまう可能性はあるかもしれません。

信じがたい事件の噂とは、ある外国人が、閻魔大王が刷られたあの世のお金を両替所に持ち込んで、偽札を使おうとした疑いで警察に逮捕された、というのです。
この噂、本当かどうか私はわからないのですが、もし本当だとしても、騙そうと考えてやったとは思えません。どう考えても、通用しませんから。
勘違いしたのか、それとも、冗談のつもりでやったのでは…? まあいろんな人がいますから、わかりませんが。

でも、もしこの事件が本当だとすると、ベトナムの本物のお札に似せた紙銭は、近いうちに禁止されるかもしれませんね…。



Posted by クアン at 21:10│Comments(0)
 
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