
2010年10月01日
「金正雲」でなく「金正恩」?
北朝鮮の後継者と見られるキム・ジョンウン氏の写真が、メディアを賑わせています。
本当にジョンウン氏が後を継げば、3代の世襲になり、まさに「金王朝」ということになるのでしょう。
ところで、今日のニュースで、キム・ジョンウン氏の漢字名は「金正恩」だと発表された、というのがありました。
たしか以前は「金正雲」と紹介されていたと思いますが、違ったみたいです。
まあ「正雲」でも「正恩」でも、どうでもいいようなニュースなのですが、不思議に気になってしまいます。
なぜかというと、ベトナム人の名前にも漢字名があり、私も里子の漢字名を里親の方に紹介したこともあるのですが、どの漢字を当てたらいいのか、ときどき迷うことがあるからです。
北朝鮮の文字はハングルで、漢字は使っていないみたいですが、人名などは漢字に由来する語を使うことが多いと聞きました。
ベトナム語の文字はアルファベットなので、名前ももちろんアルファベットで書きますが、やはり漢字に由来する語を使うことが圧倒的に多いです。
たとえば、「Nguyen Van Hoa」さんの場合(声調記号が表せないので正確ではありませんが…)。
この名前は漢字でも表記でき、「阮文和」となります(「Hoa」は下がる声調の場合)。
ベトナム人の名前は、「姓+中間名+名」ですので、「和」が名前になります。
「Hoa」と書いても字の連なりでしかありませんが、「和」と書くと、大体の意味がわかります。
ベトナム人のほとんどは漢字が読めませんが、Hoaには「仲良くする」とか「平和な」という意味があるので、そのような想いをこめて、子どもにこの名前をつけています。
名前を漢字に置き換えてみると、親御さんが子どもに対してどのような想いや願いを寄せているのか、ほんの少しですけど、感じることができます。
そんなわけで、何年か前に、私たちが支援している青葉奨学生全員の名前を漢字に置き換えようと試みてみたことがあります。
調べてみると、たとえば、Tuong Viさんが「薔薇」さんだったり、Hoang Cucさんは「黄菊」さんだったり、思いもよらなかった漢字が出てきて面白かったです。
以前、タンアン村の中学生の女の子たちと交流したとき、彼女たちの漢字名を書いてあげると、とても喜んでくれました。「自分の名前が、漢字だとこういうふうに書くんだ」というのは、確かに面白い発見だろうと思います。
でも、どの漢字を当てたらよいのか、どうしてもわからない場合もありました。たとえば、「進」と「晋」はベトナム語でもまったく同じ発音なので、どちらなのか判断するのはとても難しいです。
私たちの友人のカンくん(Pham Nguyen Khang)の場合も、「康」くんであることは間違いありませんが、「範元康」なのか「範原康」なのか、本人にもわからないようです。
北朝鮮の場合も、どの漢字なのかわからなくなってしまう場合もあるのかも知れません。
同じくハングルを使う韓国では、むしろ漢字に由来しない語を名前に使うことが多くなっている、とも聞きました。
日本で言えば、ひらがなの名前、という感じになるでしょうか。
ベトナムでも、それほど多くはありませんが、漢字に置き換えることのできない名前の人もいます。
漢字文化圏には、中国や台湾をはじめ、北朝鮮、韓国、日本、ベトナムなどがありますが、漢字に対してそれぞれ違う付き合い方をしています。
そのことが、なんだかとても面白いです。「金正雲」でなく「金正恩」だった、というニュースにも、とても興味を惹かれます。
とはいえ、アジアの隣国、北朝鮮。8月に「クロッシング」という脱北者をテーマにした映画を見ましたが、いまこの時代に何千万という人たちが、きわめて悲惨な暮らしを強いられている、という現実があります。
家もなく、街や農村をさまよっている子どもたちも、たくさんいるようです。
この現実と、どう向き合ったらよいのでしょうか。
本当にジョンウン氏が後を継げば、3代の世襲になり、まさに「金王朝」ということになるのでしょう。
ところで、今日のニュースで、キム・ジョンウン氏の漢字名は「金正恩」だと発表された、というのがありました。
たしか以前は「金正雲」と紹介されていたと思いますが、違ったみたいです。
まあ「正雲」でも「正恩」でも、どうでもいいようなニュースなのですが、不思議に気になってしまいます。
なぜかというと、ベトナム人の名前にも漢字名があり、私も里子の漢字名を里親の方に紹介したこともあるのですが、どの漢字を当てたらいいのか、ときどき迷うことがあるからです。
北朝鮮の文字はハングルで、漢字は使っていないみたいですが、人名などは漢字に由来する語を使うことが多いと聞きました。
ベトナム語の文字はアルファベットなので、名前ももちろんアルファベットで書きますが、やはり漢字に由来する語を使うことが圧倒的に多いです。
たとえば、「Nguyen Van Hoa」さんの場合(声調記号が表せないので正確ではありませんが…)。
この名前は漢字でも表記でき、「阮文和」となります(「Hoa」は下がる声調の場合)。
ベトナム人の名前は、「姓+中間名+名」ですので、「和」が名前になります。
「Hoa」と書いても字の連なりでしかありませんが、「和」と書くと、大体の意味がわかります。
ベトナム人のほとんどは漢字が読めませんが、Hoaには「仲良くする」とか「平和な」という意味があるので、そのような想いをこめて、子どもにこの名前をつけています。
名前を漢字に置き換えてみると、親御さんが子どもに対してどのような想いや願いを寄せているのか、ほんの少しですけど、感じることができます。
そんなわけで、何年か前に、私たちが支援している青葉奨学生全員の名前を漢字に置き換えようと試みてみたことがあります。
調べてみると、たとえば、Tuong Viさんが「薔薇」さんだったり、Hoang Cucさんは「黄菊」さんだったり、思いもよらなかった漢字が出てきて面白かったです。
以前、タンアン村の中学生の女の子たちと交流したとき、彼女たちの漢字名を書いてあげると、とても喜んでくれました。「自分の名前が、漢字だとこういうふうに書くんだ」というのは、確かに面白い発見だろうと思います。
でも、どの漢字を当てたらよいのか、どうしてもわからない場合もありました。たとえば、「進」と「晋」はベトナム語でもまったく同じ発音なので、どちらなのか判断するのはとても難しいです。
私たちの友人のカンくん(Pham Nguyen Khang)の場合も、「康」くんであることは間違いありませんが、「範元康」なのか「範原康」なのか、本人にもわからないようです。
北朝鮮の場合も、どの漢字なのかわからなくなってしまう場合もあるのかも知れません。
同じくハングルを使う韓国では、むしろ漢字に由来しない語を名前に使うことが多くなっている、とも聞きました。
日本で言えば、ひらがなの名前、という感じになるでしょうか。
ベトナムでも、それほど多くはありませんが、漢字に置き換えることのできない名前の人もいます。
漢字文化圏には、中国や台湾をはじめ、北朝鮮、韓国、日本、ベトナムなどがありますが、漢字に対してそれぞれ違う付き合い方をしています。
そのことが、なんだかとても面白いです。「金正雲」でなく「金正恩」だった、というニュースにも、とても興味を惹かれます。
とはいえ、アジアの隣国、北朝鮮。8月に「クロッシング」という脱北者をテーマにした映画を見ましたが、いまこの時代に何千万という人たちが、きわめて悲惨な暮らしを強いられている、という現実があります。
家もなく、街や農村をさまよっている子どもたちも、たくさんいるようです。
この現実と、どう向き合ったらよいのでしょうか。
Posted by クアン at 23:19│Comments(0)