
2010年10月11日
国境のカジノ
国際協力の仕事でカンボジアのクラチエ州に赴任している友人から、久しぶりにメールをもらいました。
クラチエは、カンボジアの首都プノンペンから300キロあまり北東にある、メコン川に面した街です。
このあたりのメコン川には、珍しい川イルカが生息しているそうです。「川イルカを眺めながらビールを飲みませんか」と、魅力的なお誘いをもらいましたが、クラチエに遊びに行くのは難しそうだなあ…。
さて、クラチエ州の南東側はベトナムと国境を接していて、1カ所ゲートが開いているそうです。
先日、彼はその国境まで様子を見に行ってきた、ということです。クラチエの街から国境までは、けっこう距離があるみたいですね。
地図を確認すると、ベトナム側でクラチエと接しているのは、ビンフオック省です。ホーチミン市からほぼ真北に、150キロほどのところになります。
ロクニンという街から国道13号線を20キロほど北に行くと、カンボジアとの国境です。ゲートが開いているのは、おそらくここでしょう。ベトナム側では「ホアルー国境」と呼ばれているそうです。
ここでカンボジアのビザを取ることもできるらしいので、詳しい事情はわかりませんが、外国人旅行者でも、この地点を越えてベトナム・カンボジア間を行き来できるのかもしれません。ただし交通は不便なので、この国境に行くには、ロクニンの街でバイクタクシーを手配して連れて行ってもらうような形になるのでしょう。
友人の話では、国境のカンボジア側には、小さなカジノがあるそうです。
「そんな辺鄙な場所になぜカジノが?」と思いましたが、このカジノ、ベトナム人客でかなり賑わっているそうです。
考えてみると、この場所、実は私が思うほど辺鄙な場所ではないのかもしれません。
最近では、ベトナムの富裕層の人たちは普通に自家用車を持っていますし、地方の道路事情もだいぶ改善されてきています。
ホーチミン市からこの国境までは、おそらく車で3時間ほど。那覇からいえば辺戸岬ぐらい、東京からなら日光とか伊豆ぐらいの感覚でしょうか。日帰りも可能な、手軽に行ける場所です。
ベトナム国内では、外国人を対象としたカジノはかなり多くあるようなのですが、ベトナム人の立ち入りは基本的に禁止されているそうです。
でも、国境を一歩越えてしまえば、そのような規制は関係ありません。
ホーチミン市や北隣のビンズオン省南部では、裕福な人たちもかなり多くなっています。おそらく、この人たちの利用を当て込んで、国境のカンボジア側にカジノが作られたのでしょう。
「ちょっとカンボジアまでカジノに」そんな会話も、一部のベトナム人の間では、日常的になっているのかもしれません。
ベトナム・カンボジア国境も、どんどん様子が変わっているようです。
ホーチミン市からロクニン、ホアルー国境を経て、プノンペンに至る鉄道建設の計画があるとも聞きました。
いずれ、このルートもモックバイ国境と並ぶ、メジャーな国境越えのルートになるのでしょうか。
でも、カジノかあ…。
ベトナムやカンボジアの人たちの楽しみに、私がケチをつけることなど勿論できませんが、どうなのかなあ…。
カジノのテーブルには、賭け金として大量のベトナムドン紙幣がそのまま積まれているそうです。
最近のベトナムの一部で広がっている、拝金主義の風潮の縮図を見るようで、ちょっと引いてしまいます。
また、カジノで栄えている場所の多くでは、売買春がつきものになっているとも聞きます。
経済発展が進んでいるといっても、ホアルー国境の周辺には、カンボジア側でもベトナム側でも、貧しい村がたくさんあるはずです。少数民族の村も多いと思います。
私たちが支援する青葉奨学生たちがいる、ゴム園に囲まれたビンズオン省北部のミンホア村も、ここからそれほど遠くないところにあります。
そのような場所に、仮にセックス産業も含む歓楽街ができるとしたら、周辺に及ぼすマイナスの影響も、相当に大きいような気がします。
国境のカジノが、ちょっと気になります。
クラチエは、カンボジアの首都プノンペンから300キロあまり北東にある、メコン川に面した街です。
このあたりのメコン川には、珍しい川イルカが生息しているそうです。「川イルカを眺めながらビールを飲みませんか」と、魅力的なお誘いをもらいましたが、クラチエに遊びに行くのは難しそうだなあ…。
さて、クラチエ州の南東側はベトナムと国境を接していて、1カ所ゲートが開いているそうです。
先日、彼はその国境まで様子を見に行ってきた、ということです。クラチエの街から国境までは、けっこう距離があるみたいですね。
地図を確認すると、ベトナム側でクラチエと接しているのは、ビンフオック省です。ホーチミン市からほぼ真北に、150キロほどのところになります。
ロクニンという街から国道13号線を20キロほど北に行くと、カンボジアとの国境です。ゲートが開いているのは、おそらくここでしょう。ベトナム側では「ホアルー国境」と呼ばれているそうです。
ここでカンボジアのビザを取ることもできるらしいので、詳しい事情はわかりませんが、外国人旅行者でも、この地点を越えてベトナム・カンボジア間を行き来できるのかもしれません。ただし交通は不便なので、この国境に行くには、ロクニンの街でバイクタクシーを手配して連れて行ってもらうような形になるのでしょう。
友人の話では、国境のカンボジア側には、小さなカジノがあるそうです。
「そんな辺鄙な場所になぜカジノが?」と思いましたが、このカジノ、ベトナム人客でかなり賑わっているそうです。
考えてみると、この場所、実は私が思うほど辺鄙な場所ではないのかもしれません。
最近では、ベトナムの富裕層の人たちは普通に自家用車を持っていますし、地方の道路事情もだいぶ改善されてきています。
ホーチミン市からこの国境までは、おそらく車で3時間ほど。那覇からいえば辺戸岬ぐらい、東京からなら日光とか伊豆ぐらいの感覚でしょうか。日帰りも可能な、手軽に行ける場所です。
ベトナム国内では、外国人を対象としたカジノはかなり多くあるようなのですが、ベトナム人の立ち入りは基本的に禁止されているそうです。
でも、国境を一歩越えてしまえば、そのような規制は関係ありません。
ホーチミン市や北隣のビンズオン省南部では、裕福な人たちもかなり多くなっています。おそらく、この人たちの利用を当て込んで、国境のカンボジア側にカジノが作られたのでしょう。
「ちょっとカンボジアまでカジノに」そんな会話も、一部のベトナム人の間では、日常的になっているのかもしれません。
ベトナム・カンボジア国境も、どんどん様子が変わっているようです。
ホーチミン市からロクニン、ホアルー国境を経て、プノンペンに至る鉄道建設の計画があるとも聞きました。
いずれ、このルートもモックバイ国境と並ぶ、メジャーな国境越えのルートになるのでしょうか。
でも、カジノかあ…。
ベトナムやカンボジアの人たちの楽しみに、私がケチをつけることなど勿論できませんが、どうなのかなあ…。
カジノのテーブルには、賭け金として大量のベトナムドン紙幣がそのまま積まれているそうです。
最近のベトナムの一部で広がっている、拝金主義の風潮の縮図を見るようで、ちょっと引いてしまいます。
また、カジノで栄えている場所の多くでは、売買春がつきものになっているとも聞きます。
経済発展が進んでいるといっても、ホアルー国境の周辺には、カンボジア側でもベトナム側でも、貧しい村がたくさんあるはずです。少数民族の村も多いと思います。
私たちが支援する青葉奨学生たちがいる、ゴム園に囲まれたビンズオン省北部のミンホア村も、ここからそれほど遠くないところにあります。
そのような場所に、仮にセックス産業も含む歓楽街ができるとしたら、周辺に及ぼすマイナスの影響も、相当に大きいような気がします。
国境のカジノが、ちょっと気になります。
Posted by クアン at 21:20│Comments(1)
この記事へのコメント
無料ベトナムニュース配信サイト「VIET JO ベトナムニュース」に、こんな記事が紹介されていました。「Nguoi lao dong(労働者)]新聞の記事を、日本語訳したもののようです。
「カンボジアのカジノで多額の借金を負ったため拘束されリンチを受けた被害者たちが、その被害の実態を語り始めた。」
http://www.viet-jo.com/news/sanmen/101022065543.html
「カンボジアのカジノで多額の借金を負ったため拘束されリンチを受けた被害者たちが、その被害の実態を語り始めた。」
http://www.viet-jo.com/news/sanmen/101022065543.html
Posted by クアン
at 2010年10月24日 14:40
