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2011年07月29日

さいおんスクエアとサイゴンスクエア

先日、久しぶりにモノレール牧志駅の前を通ったら、すっかり様子が変わっているのに驚きました。
大きくてきれいな建物ができていて、「SAION SQUARE」と書かれていました。
そういえば、2週間ぐらい前だったか、「さいおんスクエアがオープン」といって、ラジオなどで話題になっていたのを思い出しました。
建物の中には、公民館や飲食店、ホテルなどが入っているみたいです。久茂地にあったプラネタリウムもここに移ったとか。
私が通りかかったときは、人影はまばらだったのですが、これから賑わうといいなと思います。

ところで、「SAION SQUARE」って、どこかで見たような名前です。
そう、ベトナムのホーチミン市に、「SAIGON SQUARE」があるのです。

以前は、「SAIGON SQUARE」はレユアン通りに面した場所にあって、その中の一角に「M&Toi」という音楽カフェがありました。
私はベトナムには年に一度か二度、数日間訪ねるぐらいですが、それでも「M&Toi」には通算で4回か5回ぐらい行って、ミー・リンやクアン・リンの歌謡ショーを聴きました。
どのライブも楽しかったので、ちょっと思い出深い場所になっています。

いまでは「M&Toi」はなくなってしまい、「サイゴンスクエア」自体も、レロイ通りのあたりに移転したと聞きました。

さて、「さいおんスクエア」という名前は、言うまでもなく、18世紀前半の琉球の優れた政治家、蔡温から取られたものです。
近くに「蔡温橋」があるので、この名前になったようですが、国際通りの一角に、歴史的な人物の名前を冠した建物が誕生したのは、なかなか面白いと思います。

ベトナムでは、道路の名前などに、歴史的な人物の名前がつけられています。
歴史上、たびたび外国の侵略に苦しめられたベトナムでは、国の独立のために戦った英雄がたくさんいます。
街を歩くと、それらの英雄の名前がつけられた通りが、数多くあります。
ハイ・バー・チュン(チュン姉妹)、レ・ロイ、チャン・フン・ダオ、グエン・フエなど…。
また、レ・ホン・フォンやチャン・フー、グエン・ティ・ミン・カイなど、若くして命を落とした革命家たちの名前も、よく見かけます。
パスツールなど、医学の発展に貢献した外国人の名前も目にします。

学校の名前も、もちろん地名がつけられたものが多いのですが、人物の名前を冠した学校もたくさんあります。
ベトナム関係の本を見ていると、学校名で見たことのある名前が出てきて、「この名前は、こういう人だったのか」と思わぬ発見をすることがよくあります。

私がよく利用するホテルの近くには、「ルオン・ディン・クア小学校」というのがあって、なんとなく気になっていたのですが、何年か前に『ハノイから吹く風』という本を読んでいたら、この名前が出てきました。
なんと、著者の中村信子さんが、ルオン・ディン・クアさんのお連れ合いなのだそうです。
ルオン・ディン・クアさんは、1940年代に日本に留学していた農学者で、帰国後、北ベトナムの農業の発展に尽くした人です。

沖縄でも、「さいおんスクエア」だけでなく、「蔡温小学校」があっても面白いかもしれませんね。
そういえば那覇市内には、「天妃小学校」がありますね。天妃(媽祖)は、宋の時代に実在した黙娘という若い女性が神になったもの、と言われているそうです。まあ「天妃」の場合、人物というよりは、神様の名前というべきかもしれませんが…。

「玉城朝薫小学校」とか、「伊波普猷小学校」「山之口貘小学校」なんていう学校があったら素敵だな、と思います。

ヤマトのほうでいうと、「織田信長小学校」とか「坂本竜馬小学校」、「菅原道真小学校」など、人気のある人物名の学校があったら、入学希望者が殺到するかもしれませんね。



Posted by クアン at 00:13│Comments(0)
 
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