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2009年06月23日

アレン・ネルソンさんのこと

アレン・ネルソンさんを知っていますか。

アレン・ネルソンさんは、1947年、ニューヨーク生まれのアフリカ系アメリカ人です。貧困と差別から抜け出すことを夢見て、18歳で海兵隊に入隊。沖縄の基地などでの訓練を経て、1967年にはベトナム中部・クアンナム省の海兵隊キャンプに駐屯、多くの戦闘に参加しました。
帰還後、PTSDに苦しみ、また自分たちがベトナムで犯した過ちについて、深く悩みました。その後、平和運動や非暴力の活動に積極的に関わるようになりました。

1995年の米海兵隊員による少女暴行事件以後、ネルソンさんは何度も沖縄に来られ、ベトナムでの体験を語ったり、非暴力のワークショップなども企画されました。
ネルソンさんは昨年も何度か沖縄に来られましたが、体調がかなり優れない様子で、今年初めに多発性骨髄腫(白血病の一種)と診断されました。ベトナムでの従軍中に浴びた枯葉剤が、白血病を誘発した原因ではないか、ともいわれています。

2月には、ネルソンさんと親しい方々が中心になり、「アレン・ネルソン基金沖縄の会」が設立。闘病中のネルソンさんを励ますため、治療費カンパを県民に呼びかけました。この呼びかけは大きな反響を呼び、県内だけで130万円以上の金額が寄せられたそうです。
しかし、3月25日、残念ながらネルソンさんは亡くなりました。「アレン・ネルソン基金沖縄の会」では、治療費や葬儀の費用を遺族に送りましたが、遺族の方から、「私たちはもう十分なので、残ったお金は、ベトナムの人たちのために役立ててほしい」という希望を受けたそうです。

先日、「アレン・ネルソン基金沖縄の会」の方より、「現在残っているお金を、ベトナム青葉奨学会沖縄委員会に寄付したい。ベトナムの弱い立場にある人たちのために、活用してほしい」という申し出を受けました。
思いがけない申し出を受けて、とても驚いたのですが、私たちも深く尊敬するアレン・ネルソンさんの遺志を活かすお手伝いができるのであれば、たいへん嬉しく名誉なことだと思っています。
 
具体的な活用方法については、これからベトナム側の事務局と相談する必要がありますが、現時点の私たちの考えとしては、ベトナム中部の山間部の貧困家庭の子どもたちの奨学金として役立てていきたいと思っています。
活用方法が決まりましたら、このブログでもお知らせします。
またもし可能であれば、近い将来、支援先の子どもたちの訪問も兼ねて「アレン・ネルソンさんの足跡をたどる旅」といったスタディーツアーが企画できれば、と思っています。

ところで、アレン・ネルソンさんの遺骨は本人の希望を受けて日本で納められることになり、あさって6月25日(木)、石川県加賀市の光闡坊(コウセンボウ)というところで、アレンさんの<納骨の儀式>が行われるそうです。
また、7月2日(木)には、沖縄でも「アレン・ネルソンさんを偲ぶ会」が行われます。時間は午後6時30分から、場所は「くすぬち平和文化館」 (℡ 098-938-4192/沖縄安慶田1丁目29番10号)です。
アレンさんの妹・マーチェラさんご夫妻も、参加されるそうです。

私は講演を聞いたり本を読んだことがあるだけで、アレン・ネルソンさんと直接のお付き合いはなかったのですが、「偲ぶ会」にはぜひ参加しようと思っています。


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