2010年01月29日
クアンナムの生徒のみなさんへ
2月5日に行われる「アレン・ネルソン奨学金」の支給式に向けて、生徒たちへのメッセージを用意しました。
現在、留学生にベトナム語訳を頼んでいるところです。
以下、内容を紹介します。
クアンナムの生徒のみなさんへ
クアンナムの生徒のみなさん、お元気ですか。楽しく勉強していますか。
わたしたちは、みなさんにささやかな奨学金を送ります。この奨学金には、「アレン・ネルソン奨学金」という名前がついています。
「アレン・ネルソン」とは、わたしたちの友人の名前です。彼はアメリカ人ですが、日本にもたくさんの友人がいました。これから、アレン・ネルソンについて少しお話しをします。
みなさんのお父さん、お母さんが生まれたころ、またはもう少し前に、みなさんの国では大きな戦争がありました。みなさんの故郷クアンナムにも、たくさんのアメリカの兵隊が来ました。アレン・ネルソンも、その中の1人でした。アレンの家はとても貧しく、兵隊に行くしか仕事がなかったのです。アレンは、タムキーにあったアメリカ軍の基地に住んでいました。アレンもまた、戦争でたくさんのベトナム人を傷つけました。でもそのあと、アレンは、自分が戦場で大きな間違いをおかしたことに気がついて、とても悩みました。そして、二度と戦争をくりかえさないように、自分がベトナムでおかした間違いを、みんなに語るようになりました。1996年以後、彼は日本に何度も来て、ベトナムでの体験を、わたしたちに聞かせてくれました。わたしたちは彼の話に感動して、仲のよいともだちになりました。
2009年の1月、アレンは多発性骨髄腫という重い病気になりました。この病気は、戦争のときにアメリカ軍がみなさんの国で使った枯葉剤と関係があるといわれています。わたしたちは、アレンが入院して病気を治せるように、お金を送ろうとよびかけました。彼の話を聞いたことがあるたくさんの人たちや子どもたちが、お金を出してくれました。でも悲しいことに、アレンは3月に亡くなってしまいました。私たちの手元に、アレンの治療のために集めたお金が残りました。アメリカにいるアレンのともだちや親戚の人たちは、こう言いました。「アレンは、最後までベトナムの人たちのことを心配していました。このお金は、ベトナムの人たちのために使って下さい」。
わたしたちはみんなで話し合い、このお金を、クアンナムの子どもたちのための奨学金にすることに決めました。ベトナムの子どもたちが楽しく元気に勉強できるように、アレンがいつも願っていたからです。金額は少ないですが、アレンの気持ちがこもっている奨学金です。
わたしたちは、アレンが書いた本をベトナム語に翻訳しました。彼がどんな人で、どんな体験をしたのか、くわしく書いてあります。でも、小学生のみなさんには、まだ読むのは難しいかもしれません。もう少し大きくなったら、ぜひ読んでみて下さいね。
みなさんは、どの科目が好きですか。将来の夢はなんですか。身体に気をつけて、勉強をがんばって下さい。お父さん、お母さんや、先生方の言うことを、よく聞いて下さい。ともだちを大切にして、一緒に楽しく遊んで下さいね。
もうすぐテト(旧正月)がやってきます。ご家族のみなさんと、楽しいテトをすごして下さい。みなさんとご家族、友人たちが、いつもお元気で、幸せでありますように。
アレン・ネルソン基金
アレン・ネルソン基金沖縄の会
青葉奨学会沖縄委員会
現在、留学生にベトナム語訳を頼んでいるところです。
以下、内容を紹介します。
クアンナムの生徒のみなさんへ
クアンナムの生徒のみなさん、お元気ですか。楽しく勉強していますか。
わたしたちは、みなさんにささやかな奨学金を送ります。この奨学金には、「アレン・ネルソン奨学金」という名前がついています。
「アレン・ネルソン」とは、わたしたちの友人の名前です。彼はアメリカ人ですが、日本にもたくさんの友人がいました。これから、アレン・ネルソンについて少しお話しをします。
みなさんのお父さん、お母さんが生まれたころ、またはもう少し前に、みなさんの国では大きな戦争がありました。みなさんの故郷クアンナムにも、たくさんのアメリカの兵隊が来ました。アレン・ネルソンも、その中の1人でした。アレンの家はとても貧しく、兵隊に行くしか仕事がなかったのです。アレンは、タムキーにあったアメリカ軍の基地に住んでいました。アレンもまた、戦争でたくさんのベトナム人を傷つけました。でもそのあと、アレンは、自分が戦場で大きな間違いをおかしたことに気がついて、とても悩みました。そして、二度と戦争をくりかえさないように、自分がベトナムでおかした間違いを、みんなに語るようになりました。1996年以後、彼は日本に何度も来て、ベトナムでの体験を、わたしたちに聞かせてくれました。わたしたちは彼の話に感動して、仲のよいともだちになりました。
2009年の1月、アレンは多発性骨髄腫という重い病気になりました。この病気は、戦争のときにアメリカ軍がみなさんの国で使った枯葉剤と関係があるといわれています。わたしたちは、アレンが入院して病気を治せるように、お金を送ろうとよびかけました。彼の話を聞いたことがあるたくさんの人たちや子どもたちが、お金を出してくれました。でも悲しいことに、アレンは3月に亡くなってしまいました。私たちの手元に、アレンの治療のために集めたお金が残りました。アメリカにいるアレンのともだちや親戚の人たちは、こう言いました。「アレンは、最後までベトナムの人たちのことを心配していました。このお金は、ベトナムの人たちのために使って下さい」。
わたしたちはみんなで話し合い、このお金を、クアンナムの子どもたちのための奨学金にすることに決めました。ベトナムの子どもたちが楽しく元気に勉強できるように、アレンがいつも願っていたからです。金額は少ないですが、アレンの気持ちがこもっている奨学金です。
わたしたちは、アレンが書いた本をベトナム語に翻訳しました。彼がどんな人で、どんな体験をしたのか、くわしく書いてあります。でも、小学生のみなさんには、まだ読むのは難しいかもしれません。もう少し大きくなったら、ぜひ読んでみて下さいね。
みなさんは、どの科目が好きですか。将来の夢はなんですか。身体に気をつけて、勉強をがんばって下さい。お父さん、お母さんや、先生方の言うことを、よく聞いて下さい。ともだちを大切にして、一緒に楽しく遊んで下さいね。
もうすぐテト(旧正月)がやってきます。ご家族のみなさんと、楽しいテトをすごして下さい。みなさんとご家族、友人たちが、いつもお元気で、幸せでありますように。
アレン・ネルソン基金
アレン・ネルソン基金沖縄の会
青葉奨学会沖縄委員会
Posted by クアン at 22:58│Comments(0)
│アレン・ネルソン基金