2010年02月12日
ベトナムの学校事情
8回にわたって、アレン・ネルソン奨学金についてご報告しました。
アレンさんと親交のあった方々にも、かなり見ていただけたと思います。
今日は、ベトナムの学校事情について、おおまかにご説明します。奨学生たちの状況を理解していただく上でも、いくらか役に立つかも知れません。

日本の学校制度は6・3・3制になっていますが、ベトナムは5・4・3制です。つまり、小学校5年間、中学校4年間、高校3年間です。
学年度は、9月に始まります(場所によっては8月半ばごろから始まるようです)。9月から1月ごろまでが1学期、そのあと5月末までが2学期、6月から8月は夏休みです。
学年末には試験が行われ、規定の点数が取れないと、留年になります。ただし小学校では基本的に全員進級させるようにしている、と聞いています。
高校の卒業試験は、全国一律で6月初めごろに行われます。
授業は、多くの場所では、最近まで2部制で行われてきました。午前の部と午後の部に分かれて勉強します。生徒の数に対して、校舎や教員の数が足りなかったためです。
しかし数年前にカリキュラムが変わり、2部制では授業時間に限りがあるため、教程をこなすことが難しくなりました。また、人口増加が一段落したこともあって、現在では全日制への移行が進められています。ただ、全国一律に移行しているわけではなく、可能な場所から徐々に移行している、ということです。
学費は、公立の小学校は無料と聞いています。ただし、設備費などの名目でお金を集めることが多く、事実上有料といえるのかもしれません。
中学校、高校は、公立でも学費がかかります。金額は地域によって違い、都市部では高く、農村部や山間部では安くなっています。半公立学校や私立学校になると、公立よりもかなり高くなるようです。
とくに経済的に厳しい家庭や、親が戦争で負傷している家庭、少数民族の家庭などでは、学費が半額または全額免除される場合もあるそうです。
教科書は、小学校でも有料で購入しなければなりません。教材費は、貧しい家庭にとってはかなりの負担になります。
また、有料で補習授業が行われることも多く、それも大きな負担になるようです。
義務教育は、基本的に小学校の5年間のみですが、都市部では中学校まで全員が卒業するように奨励されているそうです。とはいえ、実際には小学校さえ出られない子どもたちも、たくさんいるようです。
現在、ベトナムではほとんどの子どもが小学校に入学するようです。しかし、規定の5年間で卒業する割合は、地域によって大きく異なります。ハノイ市やその周辺の紅河デルタ地域では、ほぼ100パーセント近い子どもが5年間で小学校を卒業するのに対し、中部高原地方やメコンデルタの一部などでは、その割合が半分以下というところもあるようです。

ベトナムは教育熱心なお国柄で、都市部などでは受験競争の過熱が問題になっています。その反面、地方によっては小学校も卒業できない子どもがたくさんいます。この格差が大きな問題といえます。
また、教育の内容や教員の資質も、次第に問われるようになっているようです。地域によっては、高卒以下の教員が大半を占めているというところもあり、教員になるには少なくとも短大を卒業しなければならない、という方針が打ち出されています。
以上、ごく大まかですが、ベトナムの学校事情をご説明しました。私の知識も不確かな部分がありますし、状況はかなり早いペースで変わってもいるので、必要に応じて補足や訂正をしたいと思います。
アレンさんと親交のあった方々にも、かなり見ていただけたと思います。
今日は、ベトナムの学校事情について、おおまかにご説明します。奨学生たちの状況を理解していただく上でも、いくらか役に立つかも知れません。

日本の学校制度は6・3・3制になっていますが、ベトナムは5・4・3制です。つまり、小学校5年間、中学校4年間、高校3年間です。
学年度は、9月に始まります(場所によっては8月半ばごろから始まるようです)。9月から1月ごろまでが1学期、そのあと5月末までが2学期、6月から8月は夏休みです。
学年末には試験が行われ、規定の点数が取れないと、留年になります。ただし小学校では基本的に全員進級させるようにしている、と聞いています。
高校の卒業試験は、全国一律で6月初めごろに行われます。
授業は、多くの場所では、最近まで2部制で行われてきました。午前の部と午後の部に分かれて勉強します。生徒の数に対して、校舎や教員の数が足りなかったためです。
しかし数年前にカリキュラムが変わり、2部制では授業時間に限りがあるため、教程をこなすことが難しくなりました。また、人口増加が一段落したこともあって、現在では全日制への移行が進められています。ただ、全国一律に移行しているわけではなく、可能な場所から徐々に移行している、ということです。
学費は、公立の小学校は無料と聞いています。ただし、設備費などの名目でお金を集めることが多く、事実上有料といえるのかもしれません。
中学校、高校は、公立でも学費がかかります。金額は地域によって違い、都市部では高く、農村部や山間部では安くなっています。半公立学校や私立学校になると、公立よりもかなり高くなるようです。
とくに経済的に厳しい家庭や、親が戦争で負傷している家庭、少数民族の家庭などでは、学費が半額または全額免除される場合もあるそうです。
教科書は、小学校でも有料で購入しなければなりません。教材費は、貧しい家庭にとってはかなりの負担になります。
また、有料で補習授業が行われることも多く、それも大きな負担になるようです。
義務教育は、基本的に小学校の5年間のみですが、都市部では中学校まで全員が卒業するように奨励されているそうです。とはいえ、実際には小学校さえ出られない子どもたちも、たくさんいるようです。
現在、ベトナムではほとんどの子どもが小学校に入学するようです。しかし、規定の5年間で卒業する割合は、地域によって大きく異なります。ハノイ市やその周辺の紅河デルタ地域では、ほぼ100パーセント近い子どもが5年間で小学校を卒業するのに対し、中部高原地方やメコンデルタの一部などでは、その割合が半分以下というところもあるようです。

ベトナムは教育熱心なお国柄で、都市部などでは受験競争の過熱が問題になっています。その反面、地方によっては小学校も卒業できない子どもがたくさんいます。この格差が大きな問題といえます。
また、教育の内容や教員の資質も、次第に問われるようになっているようです。地域によっては、高卒以下の教員が大半を占めているというところもあり、教員になるには少なくとも短大を卒業しなければならない、という方針が打ち出されています。
以上、ごく大まかですが、ベトナムの学校事情をご説明しました。私の知識も不確かな部分がありますし、状況はかなり早いペースで変わってもいるので、必要に応じて補足や訂正をしたいと思います。
Posted by クアン at 23:47│Comments(0)
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