2011年09月06日
北部訓練場での枯葉剤実験
今朝の沖縄タイムスを見て驚きました。
1面トップに「北部に枯れ葉剤散布」「立案の元米高官証言」「ベトナム実戦前試す」の見出し。
「北部訓練場で枯れ葉剤散布」というのは、4年前にも大きく報道されました。
私たちも、その記事にショックを受けて、ささやかなものですが枯葉剤についての勉強を始めました。
しかし、米軍は沖縄での枯葉剤貯蔵・散布について否定し続けてきました。
それが、今朝のタイムスの記事では、枯葉剤散布作戦を立案した元高官が沖縄での試験散布を証言したというのです。
タイムスの記事はこちらです。
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-09-06_23051/
1面の記事を、以下に転載します。
【平安名純代・米国特約記者】米軍がベトナム戦争での実戦を前提に、1960年から約2年間にわたり、国頭村と東村の米軍北部訓練場内と周辺一帯で猛毒のダイオキシンを含む枯れ葉剤「オレンジ剤」の試験散布を実施していたことが5日までに分かった。
当時の枯れ葉剤散布作戦の立案に関わった米陸軍の元高官が沖縄タイムスの取材に対して明らかにした。
米軍は61年から始めたベトナムでの枯れ葉剤作戦の本格展開を前に、沖縄でその効果を試していた。
沖縄での枯れ葉剤使用に関する公式記録がないことから、これまで米軍は作戦そのものを否定してきたが、今回の証言はこうした事実の立証につながるものといえそうだ。
米軍が沖縄に枯れ葉剤を貯蔵、散布していた事実は当時作業に携わった元米兵らが証言しているが、散布を裏付ける元当局者の証言は初めて。
作戦が立案された背景について元当局者は、「南ベトナム解放民族戦線が潜むジャングルの絶滅を目的としていた」と説明。
北部訓練場を選んだ理由について「制約もなく、気候や立地状況などがベトナムのジャングルに似ていたことから、実戦を想定したものだった」と述べた。
初期段階での散布には、米陸軍化学兵器部隊が立ち会い、データの収集などを行ったという。
試験散布の詳細について、「散布から24時間以内に葉が茶色く枯れ、4週間目にはすべて落葉した。週に1度の散布で新芽が出ないなどの効果が確認された。具体的な散布面積は覚えていない」と話した。
収集したデータは、ベトナムでの作戦に反映されたという。
米軍の枯れ葉剤散布はこれまでに、オーストラリア(66年)、カナダ(66~67年)、韓国(68年)で各国の軍関係文書などでそれぞれ確認されている。
沖縄での枯れ葉剤使用については、元米兵らが証言してきたものの、散布を示す公式書類がないことから使用そのものを否定している。
(転載ここまで)
私たちが枯葉剤について調べる中で、米軍が1960年代初めに北部訓練場で枯葉剤散布を行ったのは、ベトナムでの本格的な使用に向けた実験目的だった可能性が高い、と考えるようになりました。
ただ、沖縄で実験を行なっていた、という具体的な証言は、これまでありませんでした。
沖縄での枯葉剤について、退役軍人たちの貴重な証言を集めているジョン・ミッチェルさんも、実験に関わるような証言は聞いていない、とおっしゃっていました。
実験についての証言は、出てこないかもしれない、と思っていました。
ところが、今朝のタイムスの記事では、作戦を立案した元高官の証言で「沖縄での試験散布」というのが出てきたわけです。
やはり、米軍の枯葉作戦全体にとって、沖縄の基地が決定的に重要な役割を果たしていたのでしょう。
枯葉作戦の中でまったく知られていなかった部分を初めて明らかにした、大変な証言だと思います。
平安名純代さんの地道な取材に、敬服します。
試験散布がどのような規模で行われたのかなど、まだはっきりしない部分が多いですが、散布の状況次第では、現在でも汚染が続いている可能性はあると思います。
北部訓練場とは別ですが、枯葉剤の入った大量のドラム缶を北谷に埋めたという証言もあります。
タイムスの記事でも強調されているように、米政府の情報開示と、環境調査が必要です。
1面トップに「北部に枯れ葉剤散布」「立案の元米高官証言」「ベトナム実戦前試す」の見出し。
「北部訓練場で枯れ葉剤散布」というのは、4年前にも大きく報道されました。
私たちも、その記事にショックを受けて、ささやかなものですが枯葉剤についての勉強を始めました。
しかし、米軍は沖縄での枯葉剤貯蔵・散布について否定し続けてきました。
それが、今朝のタイムスの記事では、枯葉剤散布作戦を立案した元高官が沖縄での試験散布を証言したというのです。
タイムスの記事はこちらです。
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-09-06_23051/
1面の記事を、以下に転載します。
【平安名純代・米国特約記者】米軍がベトナム戦争での実戦を前提に、1960年から約2年間にわたり、国頭村と東村の米軍北部訓練場内と周辺一帯で猛毒のダイオキシンを含む枯れ葉剤「オレンジ剤」の試験散布を実施していたことが5日までに分かった。
当時の枯れ葉剤散布作戦の立案に関わった米陸軍の元高官が沖縄タイムスの取材に対して明らかにした。
米軍は61年から始めたベトナムでの枯れ葉剤作戦の本格展開を前に、沖縄でその効果を試していた。
沖縄での枯れ葉剤使用に関する公式記録がないことから、これまで米軍は作戦そのものを否定してきたが、今回の証言はこうした事実の立証につながるものといえそうだ。
米軍が沖縄に枯れ葉剤を貯蔵、散布していた事実は当時作業に携わった元米兵らが証言しているが、散布を裏付ける元当局者の証言は初めて。
作戦が立案された背景について元当局者は、「南ベトナム解放民族戦線が潜むジャングルの絶滅を目的としていた」と説明。
北部訓練場を選んだ理由について「制約もなく、気候や立地状況などがベトナムのジャングルに似ていたことから、実戦を想定したものだった」と述べた。
初期段階での散布には、米陸軍化学兵器部隊が立ち会い、データの収集などを行ったという。
試験散布の詳細について、「散布から24時間以内に葉が茶色く枯れ、4週間目にはすべて落葉した。週に1度の散布で新芽が出ないなどの効果が確認された。具体的な散布面積は覚えていない」と話した。
収集したデータは、ベトナムでの作戦に反映されたという。
米軍の枯れ葉剤散布はこれまでに、オーストラリア(66年)、カナダ(66~67年)、韓国(68年)で各国の軍関係文書などでそれぞれ確認されている。
沖縄での枯れ葉剤使用については、元米兵らが証言してきたものの、散布を示す公式書類がないことから使用そのものを否定している。
(転載ここまで)
私たちが枯葉剤について調べる中で、米軍が1960年代初めに北部訓練場で枯葉剤散布を行ったのは、ベトナムでの本格的な使用に向けた実験目的だった可能性が高い、と考えるようになりました。
ただ、沖縄で実験を行なっていた、という具体的な証言は、これまでありませんでした。
沖縄での枯葉剤について、退役軍人たちの貴重な証言を集めているジョン・ミッチェルさんも、実験に関わるような証言は聞いていない、とおっしゃっていました。
実験についての証言は、出てこないかもしれない、と思っていました。
ところが、今朝のタイムスの記事では、作戦を立案した元高官の証言で「沖縄での試験散布」というのが出てきたわけです。
やはり、米軍の枯葉作戦全体にとって、沖縄の基地が決定的に重要な役割を果たしていたのでしょう。
枯葉作戦の中でまったく知られていなかった部分を初めて明らかにした、大変な証言だと思います。
平安名純代さんの地道な取材に、敬服します。
試験散布がどのような規模で行われたのかなど、まだはっきりしない部分が多いですが、散布の状況次第では、現在でも汚染が続いている可能性はあると思います。
北部訓練場とは別ですが、枯葉剤の入った大量のドラム缶を北谷に埋めたという証言もあります。
タイムスの記事でも強調されているように、米政府の情報開示と、環境調査が必要です。
Posted by クアン at 20:50│Comments(0)
│沖縄基地とベトナム