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2010年02月14日

ベトナム歌謡の夕べ

「歌は世につれ、世は歌につれ…」歌は、いろいろな形で世相を反映しています。
「屋嘉節」や「艦砲ぬ喰え残さー」「時代の流れ」など、沖縄でもその時々の世相を映し出した数々の名曲が生まれました。

長い戦争と苦難の歴史を歩んだベトナムでも、多くの歌が生まれて、人々を慰めたり、励ましたりしてきました。
ベトナムの歌謡曲といっても、あまり馴染みのない方が多いかもしれませんね。

でも、たぶん多くの方が聴いているはず。
今から6年ちょっと前の、2003年の大晦日。NHK紅白歌合戦の紅組のトリは、天童よしみさんがつとめたのですが、そのときに天童さんが歌ったのは、ベトナム人なら誰でも知っている名曲「美しい昔(Diem Xua)」でした。

ベトナム戦争の時期にベトナムの人々の心を捉えた、悲しくも美しいこの名曲。いまもベトナムでは、街のあちこちで耳にします。

私も、ベトナムの歌にそれほど詳しいわけでもないのですが、なぜか心惹かれるものがあって、ベトナムに行くたびに歌謡ショーに行ったり、CDを買い込んだりしています。何曲かは歌えるものもあるので、知人とカラオケに行って歌ったりもします。

去年の8月に、ONC(沖縄NGOセンター)のセミナーの分科会で、ベトナムの歌謡曲・ポップスについて少し紹介しました。
そのときは、時間が15分ぐらいしかなく、2曲しか紹介できませんでした。
もう少し時間を取って、多くの曲を紹介したいと思い、ONCの勉強会担当のKさんに「ベトナム歌謡の夕べ」を企画してほしいとお願いしていました。
そして、来週2月25日に、ONCの勉強会でやってくれることになりました。

ONC地球市民教育勉強会「ベトナム歌謡の夕べ」
2月25日(木)午後7時より
場所 沖縄NGOセンターhttp://oki-ngo.or.tv/office/index.html
参加費 一般500円 学生200円
お問い合わせ・申し込みは、沖縄NGOセンター098-892-4758まで。

第二次大戦後から最近までの、ベトナムの代表的な歌をいくつか紹介し、歴史背景や、歌に託された人々の思いなどを、一緒に考えてみたいと思います。私が知っているのは、ごく限られた範囲ではありますが…。

少しだけ先にご紹介しましょう。

ベトナム歌謡の夕べ

ベトナムの国民的作曲家、チン・コン・ソン。天童よしみさんがカバーした「美しい昔(Diem Xua)」も、彼の作詞・作曲です。ベトナム戦争中には、多くの反戦歌も作りました。
10年ちょっと前だったか、ピースボートの主催で、那覇市の「とまりん」の広場でコンサートが行われたとき、チン・コン・ソンもゲストの1人として出演する予定でした。新聞記事でそのことを知り、沖縄在住のベトナム人にも連絡して、コンサートに駆けつけました。しかし、結局チン・コン・ソンは体調を崩していて、その日は来ることができませんでした。重い糖尿病だったと聞きます。
それから間もない2001年4月、チン・コン・ソンはサイゴンで亡くなりました。追悼コンサートを収めたDVD「Trinh Cong Son-Nhu mot loi chia tay(別れの言葉のように)」は、本当に名盤だと思います。

ベトナム歌謡の夕べ

ファム・ズイ。
サイゴンで友人のフオンさんとベトナムの歌について話していたとき、彼女が「ベトナム人の心を誰よりも深く表現しているのが、ファム・ユイだと思います(南部の発音だとファム・ユイです)」と教えてくれました。
ファム・ズイは、1940年代後半に抗仏戦争に参加。その後さまざまなジャンルの曲を1000曲以上作ったそうです。1975年以後はアメリカで暮らしていましたが、数年前にベトナムに戻りました。
長い間、彼の曲はベトナムでの流通を禁じられていたのですが、最近は認められるようになり、ファム・ズイの曲を収めたCDも次々と発売されています。
フオンさんの言葉を聞いて、私も何枚か買って帰り、すっかり気に入ってしまいました。「Ba me Gio Linh」という悲しげな曲の歌詞がなんとなく気になって、辞書を引いて調べてみて、たまげました。続きは「ベトナム歌謡の夕べ」でお話ししましょう。

ベトナム歌謡の夕べ

カイン・リー。ベトナムの国民的歌手と言ってもいいでしょう。
1960年代、チン・コン・ソンの曲を多く歌いました。陰影のある歌声が、ベトナムの人々の心をいっぺんにつかみました。
1975年にアメリカに渡り、いまもアメリカで暮らしています。たぶん、カイン・リーの歌は、いまもベトナムでは公式には流通が認められていないと思います。でも、1994年に私がベトナムで最初に買ったカセットテープ(当時はCDはほとんどなかったので)は、なぜかカイン・リーの歌でした。もちろん海賊版ですが…。
家に帰って再生してみて、私もカイン・リーの歌声にすぐに魅せられました。あのテープは擦り切れてしまって、もう聴くことができません。

ベトナム歌謡の夕べ

ミー・タム。たぶん若手といってもよいでしょうか。そろそろ中堅に入りつつあると思いますが、私はミー・タムよりも若い世代の歌手はほとんど知らないのです。
若い人たちにも人気のあるアイドル歌手です。日本でいうと浜崎あゆみという感じでしょうか。
一度ライブに行ってみたいのですが、なかなか機会がありません。家でミー・タムのライブDVDを見て、我慢しています(オタクですね…)。
ラブソングを中心に、素敵な歌をたくさん歌っています。

ベトナムの歌について書いていると楽しいので、ついだらだらと書いてしまいます。
間違いもあるかもしれないので、気がついた方はご指摘下さい。

25日は、チン・コン・ソンやファム・ズイ、それにヴァン・カオなどの曲を中心に紹介して、時間があればミー・タムやカム・リーなどの比較的新しいラブソングも、一緒に聴きたいと思います。
多少とも関心のある方は、気楽に遊びに来て下さい。私は歌いませんので(たぶん)、安心してお越し下さい。


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Posted by クアン at 21:27│Comments(0)ベトナム歌謡
 
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