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2009年09月06日

弥勒(ミルク)のふるさと

先月ベトナムに行ったさい、帰りの空港の土産品店で、なつかしい笑顔(?)に出会いました。
弥勒(ミルク)の木彫りのお面。値段は8ドル。ちょっと高いかと思いましたが、なんとなく嬉しくなって買ってしまいました。

先週、近所の自治会の納涼祭りがあり、知人が弥勒(ミルク)の姿で出ていたので、ベトナムで買ったお面を持っていって、並べて見比べさせてもらいました。
ユーモラスな表情が、驚くほどそっくりです。

八重山や沖縄の弥勒(ミルク)は、ベトナムから伝えられたという言い伝えもあるそうです。
八重山民謡の「弥勒節」の歌詞には、ベトナムの特産品である「沈香」や「伽羅」(どちらも高級なお香)が出てきます。

ベトナムでは弥勒は「di lac(ジーラック)」といい、お寺に像が置かれていたり、お祭りのときに登場したりするようです。
布袋上人の姿の弥勒は、沖縄やベトナムだけでなく、中国にも存在するそうです。おそらく、中国南部あたりがルーツで、そこから各地に広がっていったのだろうと思います。

仏教では、弥勒菩薩は釈迦が亡くなったあと56億7千万年後(!)に現れて、民衆を救うというお話があるそうです。
人々は、弥勒の姿に、豊穣の世の中「弥勒世(ミルクユー)」への願いを託してきました。

しかし考えてみると、ベトナムの実際の歴史は「弥勒世(ミルクユー)」どころではありませんでした。むしろ、それとは正反対の「地獄」ともいうべき時代が、長く続きました。
そのベトナムの「地獄」には、日本や沖縄も深く関わっています。

人間の社会には矛盾が付きまとうので、「弥勒世(ミルクユー)」の実現はあと56億年ぐらい経たないと難しいのかもしれませんが、少なくとも「地獄」の再現は起こらないように(起こさないように)、みんなの知恵を合わせたいものですね。


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